大聖堂で歌うラクイラ復興への祈り


20094月アブルッツォ州都ラクイラは大震災によって壊滅的な被害を受けました。わずか2年後日本も東日本大震災に襲われ、どちらも人々の心と生活の場に大きな痛みと傷を負いました。

 

イタリアと日本が音楽という普遍的なコミュニケーション手段を通して出会うことを目的に、サン・ベルナルディーノ聖堂にて日伊合同合唱コンサートを開催します。

 

コンサート

2019年3月30日(土) ラクイラ市サン・ベルナルディーノ聖堂にて日伊合同合唱コンサートが無事開催されました。

 

日本からはピアニスト小田切舞美氏によって結成されたグループ en 〜えん〜が参加、「さくらさくら」に始まり日本で歌い継がれてきた曲をひとつひとつ丁寧に歌い上げました。

やむを得ない順番変更により熱心に練習に参加してきたパンクロックバンドの2名や小さなお子様たちが本番に参加できなくなってしまう悲しいアクシデントもありましたが、11名の歌声とラクイラへの思いは聖堂に響き渡り大きな感動を呼びました。

 

アブルッツォ州内キエーティ県Fara Filiorum Petriからは団員たちがバスをチャーターして駆けつけ、指揮者・作曲家フランチェスコ・ドゥルバーノ氏がラクイラに捧げるため作った『Amara Terra Me』を始めアブルッツォ方言の歌を調和されたハーモニーで披露しました。近隣の町に住む日本人メンバーがこのコンサートをきっかけに新規入団してくださったのも大きな喜びです。

 

地元ラクイラの合唱団 Armonie d'Argentoは、日本からの友人たちの歓迎や、2019年2月に他界された合唱団指導者ダンテ・ソレンティーノ氏への追悼を込めてダンテ氏作曲のラクイラを愛でる歌を元気な歌声で披露しました。

 

最後に小田切氏の指揮による「ふるさと」、サン・ベルナルディーノ聖堂提供Armonie d'Argento指揮者ガブリエラ・マニッラ氏編曲による「サン・ベルナルディーノ讃歌」の2曲の全体合唱で締めくくりとなりました。

全体練習は当日の朝のみ。お互いの言語で意味を理解し歌うため動画を交換しながら3団とも楽しく熱心に練習に励みました。

そしてこの全体合唱のために3名のイタリア在住日本人の方々がご家族同伴でラクイラに駆けつけてくださり、壮大な締めくくりとなりました。

交流昼食会

 

合同リハーサル終了後、近郊のBazzanoにあるアグリツリズモ・オリンポにて交流昼食会が行われました。

3合唱団員とその家族をはじめ、Japan 4 L'Aquila参加のアーティストたちやポスター用デザイン提供のイラストレーター・トロイヤーノ氏など100名近い人々で賑わいました。

イタリアの習慣で2時間以上に及ぶ昼食の席では、en 〜えん〜のメンバーたちが折り紙を教えたり日本から持参した駄菓子を配ったりと思い思いの交流を繰り広げる光景が見られました。

 

また、この席のために awa酒協会様よりスパークリング日本酒の提供をいただき、参加者たちは爽やかで繊細な味を堪能。アブルッツォ郷土料理との相性も抜群で味覚による日伊交流も実現することができました。

参加合唱団紹介

ラクイラ  Armonie d'Argento

ラクイラの高齢者で構成される合唱団Armonie d'Argento(銀のハーモニー)は、外に出て仲間に会うきっかけを作り、声を合わせて歌う楽しみを感じて欲しいとの願いからADA (高齢者の権利を守る協会)によって設立されました。

「日本の人たちと一緒に歌いたい。」彼らのそんな素朴な声から今回のプロジェクトは生まれました。

Fara Filiorum Petri (キエーティ)  Coro Francesco D'Urbano

キエーティ県ファーラ・フィリオールム・ペトリは歴史も見た目も非常に似た火祭りを通して福島県須賀川市との交流を進めている小さなコムーネです。

 

幅広い年代の住民たちで構成される合唱団 Coro Francesco D'Urbanoもこのプロジェクトに参加します。

日本より  en − えん −

「Armonie d'Argentoの願いに応えたい、出来るだけ多くの人達にラクイラの人々との交流を楽しみ、一緒に歌うのを楽しんで欲しい。そのためにも曲目は誰でも一度は口ずさんだことがあるものを中心に。」ピアニスト・小田切舞美氏の穏やかにも熱い思いから小さな合唱団は生まれました。

グループの名前は『en - えん -』

「縁、円、宴、遠、演、援、園・・・今回の催しにまつわる意味合いがたくさん含まれていていいかなぁと。」と語る小田切氏は、2年以上に及ぶ計画期間中にプロジェクトが何度挫折しかけても「日本から歌いに行く人達の笑顔がはっきりイメージできる。必ず成功させましょう。」と常に前向きです。

演奏予定曲目

1) さくらさくら  2) 切手のない贈り物

3) 四季メドレー (春の小川、われは海の子、もみじ、ゆき、ふるさと)  4) 上を向いて歩こう  5) 花は咲く

会場 サン・ベルナルディーノ聖堂

ラクイラ市内中心部に位置するサンベルナルディーノ聖堂は1454年〜1472年に建造され、1444年ラクイラの二つの敵対する派閥を和解させた聖人サン・ベルナルディーノ・ダ・シエナに捧げられました。

 

2009年の震災後はひどい損傷を受けながらも、国家の重要文化財としていち早く修復され、地域社会の拠り所となっています。復興への希望や人々の絆を象徴する場所であることから今回のコンサートの趣旨と共通するため開催が決定しました。

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  おかげさまで無事終了しました

コンサート参加者募集!

2019年3月30日(土)

ラクイラ市

サン・ベルナルディーノ聖堂にて

2月、3月に東京での練習に参加し、日本グループとして歌ってくださる方を募集中です。

 

この時期イタリア旅行の予定がある方、一緒に歌いませんか?

コンサート参加費:お一人様2万円 (東京での練習参加、教会への寄付等含む)

ラクイラへのアクセス:ローマ・フィウミチーノ空港及びローマ・ティブルティーナより直行バスあり。