プロジェクトに託した願い
『Japan 4 L'Aquila』は、個人に対する個人の思いが集まって構成される『希望』のためのプロジェクトです。
希望とは何か、感じ方も思い描くものも人それぞれですが、希望を感じると心が弾み笑顔になるのは同じです。それぞれが自分にできることをする、共にいる、それが笑顔につながっていくと信じています。
2009年に震災が発生したイタリア・アブルッツォ州都ラクイラが私にとって特別な理由は、その被害の甚大さや復旧工事にかかっている時間の長さではありません。そこに言葉を交わし顔を知る人たちが住み、彼らの笑顔が見たいからです。
私にできること、それは日本とアブルッツォを行き来して双方の人々と共に過ごし生の声を聞けること、そして何かの接点で"普通の人々同士の"交流につながるきっかけを作ることではないかと思っています。
私がこの活動に取り組んでいる一番の理由は、関わることで素晴らしい人々と出会って心が弾み、そんな人々と一緒に何かすることが楽しくて笑顔になれるからです。
日伊合同合唱コンサート
このプロジェクトの中心となる合唱コンサート実現に向けた取り組みは、2015年夏のラクイラのお年寄り合唱団との出会い、「日本の人たちと一緒に歌えたら楽しいでしょうね。」という指導者の思いつきから始まりました。
それ以前から、様々な専門分野を持つ人々が集まるアマチュア合唱団のコンサートを開催するアイデアを温めていたもののきっかけが掴めず半ば諦めかけていた矢先のことでした。
お年寄りの合唱団「銀のハーモニー」の指導者たちは、震災で長い人生の思い出に繋がる場所を失い傷ついているお年寄りが外に出て人と会うきっかけを作り、一緒に歌って楽しみを感じて欲しいと願い活動を続けています。
練習会場に遠い日本から見学者がやってくる珍しい出来事に張り切って歌う人たちの嬉しそうな様子、東日本大震災への心配や日本の耐震構造への羨望、ラクイラ震災後いち早く支援を申し出て約束を実行した日本政府への感謝など話題は尽きませんでした。
アブルッツォとの交流を始めた須賀川で学んだこと
松明あかしの映像を見て親近感を抱き近づきたいと思ったアブルッツォの一個人の思いが伝わり、人が人を呼び広がっていく様子を奇跡を見るかのように見守ってきました。
遠い国の人が自分たちの存在を知っている驚きと喜び、共通する伝統を持つ同士ならではの背後にあるものへの理解と親近感、お互いの顔を知ったことで広がっていくアイデア、様々な職種や家庭環境の人が関わることにより広がる可能性、違いを通して生まれる新しいアイデアや自身への誇り、自身をもっと知り伝えたい、末長く伝えていきたいという思い。須賀川とイタリアの火祭りを通した交流は、多くのヒントを与えてくれました。
これほどの可能性を秘めた交流ですが、意図して作れるものではありません。
様々な背景を持つ人が集まる合唱団によるコンサートを土台とし、そこに展覧会など出来るだけたくさんの要素を加えたいのは、関わる人や共通項目を増やし、交流のきっかけとなる可能性が広がればいいと願っているからです。
人から人へ
催し内容のアイデアだけは浮かぶものの、知り合いや伝もなく諦めていた計画がいくつもありました。
東日本大震災をテーマとしたショートフィルム上映や、東北地方のお子様を中心とした一般の方々に色付けしていただきラクイラに贈る小法師展覧会など、須賀川市の人々の広い人脈のおかげで次々と実現の可能性が広がってきています。
協力者たち
このプロジェクトはコンセプトに賛同する多くの方々の協力により生まれ、育ち続けています。
公表の同意を得られ次第、順次発表させていただきます。
ラクイラに来ませんか?
2019年3月から4月にかけて都合のつく方は、どのような展開になるのかラクイラに見にいらっしゃいませんか?
2018年9月14日
阿左美 綾